引っ越し物語

著名人が明かす「ひっこし物語」

お日様 女優:小林綾子

大学進学のために東京から京都へ

初めての引っ越しは18歳のとき。選んだ大学がたまたま京都にあったため、東京の実家から京都のマンションに移りました。初めての一人暮らしでしたが、親元を離れる不安より、新しい生活への期待で、ワクワクしていました。

部屋は事前に母と一緒に京都へ行き、大学の生協や大学近くの不動産屋さんを回って紹介してもらいました。部屋選びの条件は日当たりがよいことと、環境が静かなこと。部屋の広さは6畳。学生なのであまり贅沢にならないようにとの親の考えからでした。

3、4軒ほど回って決めたのは6畳に小さなキッチンがついたワンルーム。4階建て最上階の角部屋で日当たりは抜群。キッチンに窓があることも気に入って決めました。

下の階が大家さんのお住まいで、夕飯のおかずにとおでんを届けてくださるなど、なにかと気にかけてくださって。おかげさまで居心地がよく、結局大学の4年間お世話になりました。

福岡のマンションでスタートした新婚生活

結婚したのは26歳のとき。当時、主人が福岡に住んでいたので生活の拠点を福岡に移しました。

新居は7階。日当たりのよい角部屋で間取りは3LDK。マンションの前が空き地だったので見晴らしがよく、ベランダで洗濯物を干すのも快適でした。ただ近くに広い道路があって、トラックが通るたびに騒音がひどくて…。音って上に上がって来るんだって、このとき知りました。

 食べ物が美味しくて、自然が豊か。海外旅行も福岡空港から簡単に行けちゃいます。あまりにも快適だったので、テレビなどの仕事を終えて東京から戻るときは、まるで遊びに帰るような気分でした。しばらくして主人の仕事の都合で東京へ移りましたが、今でも忘れられない楽しい思い出です。

建築士のご主人のこだわりで、家の完成までに3年

今の住まいは一軒家で、数年前に建てました。主人は一級建築士で、住まいに関していろいろこだわりがあったので、設計のときはもう大変。何度もプランを練り直し、そのたびに模型を作って説明してくれるんです。始めは私も意見を言いましたが、そのうち面倒になって…。片流れの屋根、大きな窓、間接照明など、おしゃれで住み心地のよい住まいが完成しましたが、土地を購入してからなんと3年近くもかかってしまいました(笑)。

私にとって住まいは生活の場だけでなく、台本を覚えたり役作りをする大切な仕事場。だからいつも快適な状態にしておきたいんです。そのため私が心がけているのが掃除と整理整頓。部屋がきれいだと気分がスッキリするし、パワーがわいてきますから。お布団干しも欠かしません。大好きなお日様からたっぷりエネルギーをいただいて、これからも舞台や映画など、いろいろな役にチャレンジしていきたいと思っています。

こばやし・あやこ

'72年東京都生まれ。5歳のとき児童劇団に入り、10歳でNHK朝の連続テレビ小説「おしん」に出演。主人公の少女時代を好演して一躍お茶の間の人気者に。以降テレビ、舞台、映画など幅広く活躍中。NHK教育「趣味悠々/中高年のためのパソコン教室」では司会を担当。